公益社団法人 鯖江青年会議所
2021年度
理 事 長 所 信
スローガン
不易流行
~ 鯖江青年会議所としての矜持を正す ~
はじめに
何でも出来ると思っていた幼少期。広い世界をみる度に、何度も挫折を経験し立ち上がること、立ち上がらねばならぬことを覚えた。そして、何者にもなれると思っていた創業期、青年会議所と出会った。自分の小ささを認めることの出来ない私は、年齢や会社の規模、置かれている環境などを理由に、出来ない理由を必死に並べ、小さなプライドを守っていた。失敗を恐れ、自分を守る行動に成長は無いと気づくまでには時間がかかった。そして、健全な劣等感とは、他者との比較から生まれるのではなく、理想の自分との比較から生まれるものだということを教えてくれたのもまた青年会議所という場所であった。
そしてまた本年度、何者にでもなれると思い力強い一歩を踏み出す。そこには、背中を追ってきた先輩達が築いてきた歴史と、背中を見せなければならない後輩、肩を並べ歩んできた仲間がいる。
青年会議所の本質は、困難に立ち向かうことである。その本質を変えてはいけない。我々はこのまちで58年続く鯖江青年会議所の一員であり、公益社団法人の冠を付けた組織の一員として、まちの未来を切り拓く存在としての矜持を持って行動せねばならない。
変わることを恐れず、失敗することを恐れず、挑戦しないことを恐れる組織であろう。
個が輝く鯖江青年会議所
青年会議所は大人の学び舎である。個人の苦手なことや、現在の能力では足りないことに全力で挑戦して、自己の成長に繋げる。そして、その経験を持って会社を成長させる。私はそのように習い、鯖江青年会議所で成長してきた。しかし、今年はその考えを少しはみ出してみようと思う。今年は、適材適所の役職配置でより大きな結果にこだわりたい。成功体験という結果の積み重ねは、個の自信に繋がり組織の成長に繋がる。だからこそ結果を追求したい。まずは拡大の数字にこだわり行動する全員拡大。そして、より確かな運動を展開するための理事会、数字にこだわった委員会事業、効率化を図った事務局。鯖江青年会議所として矜持を正し、職務を全うした先に鯖江青年会議所の輝かしい未来が待っている。
従来の鯖江青年会議所の認識と違和感がある人もいるかもしれない。しかし、2021年、鯖江青年会議所は、一人ひとりの成長を輝きに変えてより大きな可能性を追求しよう。
適材適所の役職配置が個を輝かせ、鯖江青年会議所を輝かせる。
全員拡大
本年度、鯖江青年会議所の一丁目一番地は会員拡大である。数字にこだわった全員拡大である。なぜ会員拡大を最重要課題として捉えているか。それは、会員拡大こそがJC運動の根源であり、意識変革団体である我々の最たる運動だからである。また、より大きな運動を展開していくこと、自己研鑽や地域活性化を図るために一番大事なものだからである。だからこそ、会員拡大はメンバーの成長と青年会議所の発展において最も重要なものなのである。
全員拡大とは候補者を勧誘することではなく、まずは各委員会が職務に対して最大限の効果を発揮できるよう運動を発信することから始まる。そのためには各委員会で情報共有することで、より大きな運動を発信することが出来、会員全員が鯖江青年会議所を熱く語れることが会員拡大に繋がる。
一人では変えられない未来も、志を同じくする同志が集まればきっと変えられると信じている。鯖江青年会議所は一人の力を何倍にも出来る組織であると信じている。
一人の入会は小さな力かもしれないが、まちの発展にとっては偉大な飛躍である。
「情報」の重要性について
Society 5.0が私たちの生活に影響を与えるようになり、IoTで人とモノが繋がり新たな価値が生まれつつある現代において、鯖江青年会議所の情報との関わり方については限定的で閉鎖的であるように思う。青年会議所活動・運動を発信していくためには様々な理解者が必要である。それはまちの人であり、社員であり、友人であり、家族である。つまり全ての人。まちの未来を創る我々の行動をまちの人が知らないのでは話にならない。誰に、何を、なぜ、どのようにして伝えているか。今一度見直してほしい。
そして、情報は対外だけでなく我々対内の情報共有も非常に重要である。委員会単位で成果を上げるのではなく、鯖江青年会議所としてより大きな結果にこだわるために組織が情報共有し一丸となる土壌を作りたい。
青年会議所内部の情報を共有することは組織力強化へ繋がり、青年会議所の運動を外部へ情報として発信することは知名度を上げるだけでなく、一人ひとりの行動により強い責任がかかる。そしてそれは、鯖江青年会議所の矜持を正すことに繋がっていく。
「共有」するのは気持ち、「発信」するのは想い。
カウンターパートと共に描く未来
「青年会議所しかない時代」から「青年会議所もある時代」といわれ、まちの未来を考える団体が増えている。これはまちの発展に大きな期待が出来るという視点から考えれば、非常に喜ばしいことである。自分たちの住み暮らすまちをより良いまちにしたいという思いが同じであるならば、共に手を取り合い自分たちのまちを盛り上げていこうではないか。共に自己研鑽に励もうではないか。
鯖江青年会議所は、非営利団体であり、独立の団体である。だからこそ、共に活動するカウンターパートを自由に選択することが出来る。青年会議所だからこそ人や企業、地域、あらゆる団体同士に橋を架けられるはずだ。
私たちが描く架け橋は、明るい豊かなまちの未来へとつながっていく。
市民主導の新たなまちづくり
周りを見渡すと、常に時代の変化という新しい風が吹いている。鯖江のまちにおいて、16年間陣頭に立ち指揮を執り続けてきた牧野市長から佐々木市長へ新しいバトンが渡った。また、共にまちの未来、地域経済の発展を理念に掲げている鯖江商工会議所青年部が、鯖江の地で日本YEG全国大会を開催する。更に、2023年に金沢―敦賀間の開業が予定されている北陸新幹線において、鯖江駅には在来線特急が止まらなくなる。これらの大きな変化を進化するチャンスとしてとらえ、鯖江青年会議所として、変化する時代の風に乗るのではなく、常に新しい風を作り出す存在でありたい。
青年会議所の使命は「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供する」ことである。つまりこのより良い変化をもたらす力こそがJC運動である。つまり、私たちの事業は、このまちに住むひとの考えや行動を変えるために行われるものでなければならないということである。
市民へ成長の機会を提供することは、青年会議所メンバーだけが成長するよりも遥かに難しい。だからこそ挑戦したいのが、市民主導の新たなまちづくり事業である。
想像してほしい、笑顔が溢れるまちの中心が青年会議所の事業であることを。想像してほしい、今年のまちづくり事業に関わった人たちが、更に大きな運動を展開し、まちの未来を創造しているところを。
アクティブシチズンを増やすことが明るい豊かなまちの未来に繋がっている。
JC運動の基盤を支える運営
運営こそがJC活動の基盤であり、JC運動の発信において根底を支えるものである。例えば、どんなに良い事業構築をしていてもセレモニーなどの設営がしっかりしていなければ、JC運動として最高とは言えないだろう。設営が完璧になされた運営こそが、事業の質を何倍にも上げることが出来る。また、他委員会の手本となるような運営は、鯖江青年会議所全体のレベル向上に繋がる。
目立たぬ運営こそ一流。最高の黒子が最高の鯖江青年会議所をつくる。
出向の重要性
LOMを強くするのは拡大と「出向」である。出向先で何回もこの言葉を聞いた。私自身の出向経験は、福井ブロック協議会と日本青年会議所の2度であるが、どちらも私の価値観を大きく広げる傑物との出会いがあった。追いつきたい、追い越したいとあっという間の1年間を過ごした。こういった出会いが青年会議所の醍醐味でもある。そして、その経験を持ち帰り落とし込むことがLOMを強くする。
また、出向を他人事と捉えるのではなく、鯖江青年会議所事としてとらえ共に成長の機会を得るために、会を挙げて出向者支援を行いたい。
先輩たちが繋げてきた出向の歴史の中には、時には負担と呼ばれ出向者に対する理解されにくいことがあったかもしれない。しかし、鯖江青年会議所は間違いなく出向者とそれを支えるメンバーによる経験値を重ね成長してきた。
自分の可能性に蓋をせず、広い世界を見に行こう。
おわりに
このまちと生活基盤が異なる私が、鯖江青年会議所の理事長という重責を担う覚悟を決めたのは、私に成長の機会を提供してくれた鯖江青年会議所のためである。24歳で鯖江青年会議所の門を叩き11年、厳しい先輩に揉まれ、温かい先輩と仲間に恵まれた。これまでの経験を2021年にぶつけたい。まちの未来を切り拓く存在として、鯖江青年会議所をより良い組織にしていくため、1年間理事長の職を全力で職務を全うすることを誓う。
新しい考え方や取り組みを実行する際、時には笑われ、批判の声が上がるかもしれない。しかし、困難に立ち向かうことを忘れてはいけない。我々は58年の歴史の上に立つ公益社団法人鯖江青年会議所である。我々の信じた行動の先は、必ず明るい豊かなまちの未来へと繋がっていることを私は確信している。
このまちに貢献し続けてきた鯖江青年会議所としての矜持を胸に、未来を創る側になろう。
スローガン
不易流行
~ 鯖江青年会議所としての矜持を正す ~
基本方針
一、 結果にこだわるJC活動・JC運動
一、 数字にこだわる全員拡大
一、 時代に合わせた広報運動の実施
一、 市民主導の新たなまちづくり事業の実施
一、 新たなカウンターパートの創出
一、 出向者へのLOMを挙げた支援
一、 一流の事務局運営
一、 変化に柔軟に対応できる組織
一、 JC運動の検証継承