2026年度
理 事 長 所 信
スローガン
憧れに挑む
~思いやりに溢れたJAYCEEであろう~
【はじめに】
我々鯖江青年会議所は、昭和38年10月の創立以来、地域のため率先して運動を展開してまいりました。鯖江青年会議所が社団法人化する際の設立趣旨書には、次の一節があります。「とくにその運動の最も大事なことは、同志的結合に築かれた連帯感ときびしい使命感、そして共通の目標に向い青年の情熱をもって挑戦し、邁進し貢献する行動こそが、真に期待される青年会議所運動の根幹である」と。物質的な豊かさを求めていた戦後、高度経済成長期であった創立、設立当時の社会経済状況からは目まぐるしい変化を遂げていますが、この進歩し過ぎた社会の中で、私たちは覇気に乏しき青年になり過ぎてはいないだろうか。先人たちから時代を超えて私たちの運動の在り方が問われている、そう感じずにはいられません。
【憧れに挑む】
私は、2014年に京都ブロックの福知山青年会議所に入会して以来、2021年まで同会議所で活動を続け、2022年にこの鯖江青年会議所へ入会しました。2014年の入会当時、右も左もわからなかった私は、先輩方と活動を共にするなかで、委員長が大規模な事業を行って大変なはずなのに苦しい素振りなど見せずに無事成功に収める姿を目の当たりにするとともに、私が失敗しても嫌な顔一つせずに的確にフォローしていただくなど、青年会議所の先輩方のリーダーシップを直で感じました。私は、先輩方と活動を共にする中で、先輩方の使命感、情熱、及び地域課題解決の中で発揮されるリーダーシップに感銘を受け、地域を牽引するリーダーとして憧れを抱いた入会当初の出来事を今でも鮮明に覚えています。
人は、青年会議所運動の根幹でもあった使命感と情熱を兼ね備え、困難に立ち向かいながら地域を牽引するリーダーの姿に憧れを抱き、そんなメンバーに溢れた青年会議所だからこそ、地域からも必要とされるのではないでしょうか。私が青年会議所へ入会してから10年以上の時が経ち、青年会議所自体の運動や会議の方法も変化しておりますが、この運動の根幹部分や地域から必要とされる組織でなければならないという本質は変わりません。
この大事な本質自体は変わることなくあり続けるなかで、私はかつての青年会議所の先輩方の様に後輩のメンバーやまちの皆様から憧れを抱かれる背中を見せることができているのだろうかと、改めて自分自身に問わざるを得ません。私たちは、使命感と情熱を持って地域を牽引するリーダーシップを兼ね備えたリーダーとして、憧れを抱かれるような存在でなければならない、と私は思うのです。
2026年度の鯖江青年会議所は、様々な社会課題解決事業を行う中で、持続可能な地域社会の発展を目指す責任を果たし、メンバー一人ひとりが他者や、このまちの人々から憧れを抱かれる存在へと成長します。そして、そんな我々が運動を展開するこのまちが憧れを生むすばらしい地域へと繋がるのだと信じています。創始の精神を今一度見つめ直し、ともに憧れへと挑みましょう。
【JCブランドの確立と会員拡大】
私たちの活動をよりよくするためには、会員拡大が不可欠ですが、現状の鯖江青年会議所の会員数は決して多いとはいえません。素晴らしい事業を行った場合、仮に会員数がより多ければ、多くなった分だけその事業がよりよくなるという可能性が広がります。
全国的な人口減少や企業数の減少、組織としての在り方など、会員数減少の理由を挙げればきりがないこの社会環境、経済環境の中にあったとしても、会員拡大に成功している青年会議所が全国にはあります。いかなる環境にあったとしても私たちが組織として地域から必要とされ、メンバー一人ひとりが地域の皆様から憧れを抱かせる存在であり続けることや、マネジメント次第で成果を挙げることができると私は信じています。
つまり、私たちが価値ある運動を展開したうえで、共感を生む広報によってJCブランドを確立することと共に、メンバー一人ひとりの運動に対する誇りとこれからも青年会議所がこの社会に絶対に必要な存在であるという信念に満ちた会員拡大運動への使命感こそが、会員拡大の根幹であり礎なのです。そしてその結果、一人でも多くの人々から私たちの理想と運動に共感を得て、ともに手を携えることができたなら、それこそが、私たちの愛するこのまちに活力を与え、未来を創る原動力とすることができると確信します。
本年度は、JCブランドの確立を図り、急務である会員拡大に向けて、33%以上の拡大に挑みます。
【新たな観光事業の創出と関係人口拡大のためのまちづくり】
鯖江、越前町エリアは、眼鏡の製造や漆器などの産業や西山公園など、様々な地域資源があります。
もっとも、2024年3月に北陸新幹線が開通しましたが、私たちの活動エリアである鯖江市、越前町は、新幹線停車駅ではないこともあり、交流人口の増加についてあまり恩恵を受けず、十分な観光客の誘致へと繋がっておりません。これは、上述の新幹線停車駅でないなどの様々な要因が挙げられますが、鯖江、越前町エリアには市外から観光客を誘致するような事業による集客が乏しいことも理由の一つとして考えられます。
また、鯖江市においては、人口減少は福井県内他市町村と比べ緩やかで、横ばいの状況が続いておりますが、生産年齢人口は確実に減少していくという統計データがあります。この生産年齢人口が減少するということは、労働力や地域の担い手不足、消費の低迷、地域経済の衰退を招くという弊害があります。そして、少子高齢化や人口減少自体は、全国的な出生率の低下に伴い、即効性のある改善策を立てることは難しい反面、定住人口を増加させようとしてもそれは単なるパイの奪い合いをするだけで根本的な解決とはなりません。
そこで、私たちがこのまちの地域資源に磨きをかけ、新しいまちづくり事業を創出し、地域内外から多くの方々に来ていただき、交流人口だけでなく関係人口を増加させることができる仕組みを構築できれば、それがこのまちの活力の源となり、憧れを生む地域となると信じ運動を展開してまいります。すなわち、今年度は、私たちが新たな地域活性化事業を創るという気概をもって挑戦し、事業に取り組んでまいります。
【デジタル人材の溢れるまちへ】
データ活用やデジタル技術の進化により、我が国や諸外国において、データ・デジタル技術を活用した産業構造の変化が起きつつあります。そして、企業が競争上の優位性を確立するためには、常に変化する社会や顧客の課題を捉えること、人口減少による労働力不足を補うことが必要であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現することが不可欠です。一方で、多くの日本企業は、DXの取組みに後れをとっていると言われており、我々の活動エリアもまた例外ではありません。
特に、昨今の生成AI(「Generative Artificial Intelligence」)の進歩は著しいにもかかわらず、中小企業においては組織として生成AIの日常業務への組み込み、新サービス創出、これを後押しする経営層の関与が停滞しているとも言われております。
そこで、本年度私たちは、まちの中小企業と共に、デジタル化を推進し、デジタル人材が溢れ、競争力あるまちへと成長させることに取り組んでまいります。
【親として、教育者として】
子どもたちの人格の基礎は、長い時間をかけて信頼関係を育む家庭での家族との触れ合いの中で形成されると言われているところ、そんな家庭のなかで、「子どもは親の言うことは3割までしか身につけないが、親の行うことは7割以上を身につけてしまう」とまで言われています。このように、家庭教育は子どもの成長の原点とされ、文部科学省や令和2年施行の福井県家庭教育支援条例においても、親としての学びや家庭の教育力向上が重視されております。
青少年教育を論じる前に、私たちは親として、教育者として、そして一人の人間として人格を備えた人間であるのだろうか。自分自身の愛する子どもに尊敬され、信頼されるに足る背中を見せることができているのだろうか。改めて、胸に手を当てて考えざるを得ません。
私たち親世代は、いまだ若輩者であり、青少年教育といいながら結果的には子どもたちに成長の機会を与えてもらっているのではないだろうか。親が子どもに尊敬され、信頼される家庭を築き、親世代として、教育を語るに値する人間にならなければならないのです。
まずは私たち親世代がもっと人間を学び、子どもを学び、そして教育者として自分自身のあるべき姿を求め続けることで、親が子どもに信頼され、親子が共に成長でき、子どもたちが未来に夢を描けるまちの実現を目指してまいります。
【組織の進化と絆の深化】
青年会議所は、志を同じくする数多くの若き仲間たちと共に、時代の変化に対応し、より良い運動、社会を築いていかなければなりません。
我々鯖江青年会議所は、公益社団法人化して12年余りの年月が過ぎましたが、当時の情勢からは、日々刻々と変化を遂げています。社会環境、経済環境の変化にも対応し得る組織であり続けるため、今一度定款、各種規則の見直しを行い、更なる組織としての進化を図ります。
また、どれだけ優れた能力を持っていようと、一人の人間の発揮できる力には限界があります。我々鯖江青年会議所は、志を同じくする仲間が自分の強みを活かし、弱い部分を補い合って一致団結して大きなことを成し遂げる、そのような組織を目指します。そのためにも、メンバー一人ひとりが自分の役職だけに囚われることなく、一致団結し活動しなければなりません。団結力を向上させるために、メンバー同士の絆の深化を図ります。
【国際交流の機会】
青年会議所で得られる4つの機会のうち、1つは国際の機会であると言われています。ここでいう国際の機会とは、国際交流や国際貢献活動を通じて世界とかかわる機会であると定義されています。
本年度は、鯖江青年会議所の姉妹JCである大韓民国のチュンテグ青年会議所との交流を図ることにより、国際の機会のうち、国際交流の機会を創出します。我々鯖江青年会議所メンバーも、国際的な視野を広げ、異文化理解を深めた人材へと成長します。
【ブロック協議会会長輩出LOMとして】
本年度は、公益社団法人日本青年会議所北陸信越地区福井ブロック協議会に、この鯖江青年会議所から会長を輩出します。
JCIは、全世界に国際的なネットワークを構築しており、各地会員会議所(LOM:Local Organization Members)をつなぐ総合連絡調整機関としての最小単位がブロック協議会です。JCI Visionにある、「To be the foremost global network of young leaders.」(青年会議所が、若きリーダーの国際的ネットワークを先導する組織となる。)を実現するためには、ブロック協議会の存続と更なる発展が必要不可欠であると考えます。
我々鯖江青年会議所は、福井ブロック協議会会長を輩出するLOMとして、協議会を全面的に支援するとともに、今まで以上に日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会の事業への積極的な参加を致します。
【結びに】
私は2019年の32歳の頃、京都ブロック協議会において委員長として出向し、当時のブロック大会運営委員会の委員長の職を担った際、同日開催の式典やフェス、社会実験といった3つの事業を同時並行で抱えていました。他方で、委員長として約40名の出向メンバーを預かる責任とリーダーシップのあり方を考え、運営についても思い悩む日々を過ごしていました。そのため、仕事をこなすだけでなく、日々打合せ、計画立案や資料作成に追われ、心身ともに疲れ果て、時には挫けそうになることもありました。
そんなとき、背中を押してくれ、支えてくれたのは青年会議所の仲間たちでした。そのおかげで、自分の力だけではできなかった大きな成果をあげることができたのです。一人の力では成し遂げられないことも、きびしい使命感と情熱を兼ね備えた志を同じくする仲間たちが支え合って、大きな成果を挙げることができます。私も、この鯖江青年会議所に入会してからもたくさんの素晴らしい仲間たちに支えられながら切磋琢磨し活動を続けてきました。
私は、この鯖江青年会議所においては、メンバーが相互に信頼して人の心を思いやり、困った時には寄り添い支えてあげることができる、そんなメンバーに溢れた組織であり続けたいと願っています。私自身も、困っている人が身近にいれば、手を差し伸べることができる人間でありたいと願う一人です。メンバー一人ひとりがこの人として当たり前のことができてこそ、真に地域に必要とされる組織であり続けると信じています。
鯖江青年会議所は、メンバー一人ひとりが思いやりの心を持ち、憧れを生むリーダーとなって、組織として更なる成長を遂げるとともに、我々青年の運動がこのまちで燦然と輝く価値あるものにすることをここにお誓い申し上げます。
以上
スローガン
憧れに挑む
~思いやりに溢れたJAYCEEであろう~
基本方針
一、JCブランドの確立と会員拡大目標の達成
一、 新たな観光事業の創出と関係人口拡大のためのまちづくり事業の実施
一、 デジタル人材育成の推進
一、親としての学びと成長の推進
一、 時代に合わせた組織改革の実施
一、 メンバー間の絆の深化
一、 心理学を用いた交流分析(TAセミナー)の実施
一、 国際交流の機会の創出
一、(公社)日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会の事業への積極的な参加
一、 JC運動の検証と継承